宇都宮芸者の唄と踊りを映像化

戦前の宇都宮の様子

昭和11(1936)年、宇都宮市小伝馬町にあった東北みやこ新聞社により「宮の花街」という冊子が発行されました。観光名所や交通手段、旅館、繁華街などが掲載されており、当時の宇都宮の様子を現在に伝える貴重な資料となっています。

映像化のきっかけ

完成披露会の記念写真。
左から発案者の足利銀行・藤澤智会長、光重さん、
宇都宮商工会議所・関口快流会頭

宴席に呼ばれて唄や踊りを披露しお客さまを楽しませる「芸者」は、かつて宇都宮にも100人以上(「宮の花街」掲載は123人)いたといわれています。しかし、景気の波、時代の流れとともに減っていき、現在、宇都宮で光重さんただ一人となってしまいました。
「当時の宴席で披露されていた唄や踊りは、大切な伝統文化。今のうちに映像に残しておきたい」と考えた足利銀行藤澤会長と当所関口会頭が発案し、とちぎテレビ、一八(ARAKAWA)の協力を得て、宇都宮でただ一人となった現役芸者の光重さんの踊りを3曲収録し、映像化しました。

その中の1曲は、「宮の花街」に記載されている、宇都宮の名所・人物をうたった「宮小唄」です。歌詞には、二荒山神社や大谷、人物、繁華街などが織り込まれています。今回映像化したのは、「宮小唄」のほか、全国で踊られてきた定番の「六段くずし」「奴さん」です。

芸の伝統を守るだけでなく、宇都宮の大衆文化の歴史にとっても重要な今回の映像を、ぜひご覧ください。

【映像】

宮小唄

 

六段くずし

 

奴さん

【資料】

会報「天地人」6月号特集誌面

栃木県宇都宮市江野町にある料亭、一八(ARAKAWA)にご協力いただき、撮影と披露式を実施しました。